洗脳とマーケティングの関係
こんにちは安野勇太です。
身体心理学・認知科学を応用した相談業とビジネスプロデュースを軸に活動しています。
以下は先日のTweet。
新しい季節になると去年と違う服をきたくなるのは『なぜ?』
— YutaYasuno ほぼbot (@medinessfit_yas) August 6, 2020
お店にいくと予定していないものが欲しくなるのは『なぜ?』
タピオカが流行ると飲みたくなるのは『なぜ?』
そうさせるのがマーケティング。
自分が『なぜ』そう感じるかを考えるだけでマーケティングが理解できる。#マーケティング
世の中には物が買いたくなる仕掛けが溢れています。
今日は現代社会に溢れる洗脳のノウハウとマーケティングについて書いていきます。
あなたが気になっているソレは本当に欲しいもの?
季節が変わると新しい服や最新の水着が欲しくなる人は多いと思います。
ただ、冬に新しいコートが欲しくなるのはその冬が特別寒いからでしょうか。
そんなことはないはずです。去年着ていたものをそのまま着てもほとんどの場合は機能性に問題は無いはずだし、汚れていなければ見た目にもそう問題はないでしょう。
なぜ毎年新しい服が買いたくなるのかというと、そう感じるように仕組まれているからです。
CMや街の看板などの広告…街を歩く人やテレビに出るタレントさんも広告になっています。
高級料理店もそうです。目の前の料理が美味しく感じるのは、店の雰囲気やスタッフの心遣いでそう感じるようにできているからです。
その証拠にテレビの格付け番組で、目隠しをして高級料理店の料理を当てようとしてもほとんどの人は当たりません。味と価格がそのまま連動するなら、シンプルに美味しい方を答えれば当たるはずです。
高級料理店の料理を美味しく感じるのは、『これは高級料理店の料理で、これを美味しいというんですよ』という定義づけと教育がされた結果にすぎません。
上手なマーケティングは心理学を使っている
かと言っておいしい料理を高額で販売することが問題なのではありません。
何を買って何に満足するかは物を買う人が決めるコトだからです。経済が上手く回るためにもこれは必要なことです。
問題は、マーケティング戦略によって身の丈に合わない買い物をしてしまう消費者があまりにも多いことです。
筆者は麦茶を買うことが多いのですが、同じ商品をドラッグストアで買うと税込100円のところ、コンビニで買うと129円になります。
コンビニで買うとなんと3割高です。
参考までに著名な投資家ウォーレン・バフェット投資利回りが20%です。
これだけの違いがあるにも関わらず多くの人は、歩いて30秒の位置にあるドラッグストアではなく近くのコンビニで麦茶を買っています。
マーケティングによって割高な商品を買いたくさせられているのです。
そして月末になると家賃やローンの支払いに追われて喘いでいるのです。自分がなぜそのような状態になっているかにも気付かず給料が低いことを嘆いています。
お金がないと喘ぎながら、買うのをやめられなくなっている状態は一種の中毒です。
繰り返すようですが、これはあくまでマーケティングを否定しているのではなく、消費者が自分のキャッシュフロー(収入と支出)を冷静に俯瞰することが必要だということです。
月収20万円の人がローンを組んで高級車を買うことに疑問を持つ人は多いですが、なぜか週末ごとに飲みにいくサラリーマンやハイブランドを買う人、コンビニでものを買う人対してはあまり疑問を持ちません。
筆者の安野は先月の個人の売り上げが7桁を超えていますが、ドラッグストアで麦茶を買っています。
ビジネスを一言でいうと、商品をつくって販売することです。
価値ある商品があって、それを手に取るお客さんがいるから価値を提供できるというわけです。お客さんが商品を手に取る機会をつくるのがマーケティングです。
近代のマーケティングには洗脳の技術がふんだんに盛り込まれています。
例えば、新しい季節がきた時に新しいコートや水着が欲しくなるのはマーケティングをとおしてそれが欲しくなるように仕組まれているからです。
世間の流行はその最たる例です。
綺麗なタレントさんがきている服をみて、それがカッコいい・可愛いという刷り込み。毎年新しい服を買うのが良いという刷り込み。流行に乗った服をきた方がイケているという刷り込みです。
それまでは興味がなかったのに好きなタレントさんがきているのをみて急にその服が気になり始める人は多いはずです。
洗脳にかからない為に
広義での洗脳は情報によって影響を受けることです。
前提として、この世に生きている以上は洗脳にかからない人はいません。筆者の安野も常に情報によって影響を受けています。
ただ、洗脳にかかりづらくする方法はあります。
それは洗脳を認知すること。
つまり自分は洗脳にかからないと鷹を括るよりも,
世の中には情報が溢れていて、情報によって影響を自分が常に受けていると知っていることです。
洗脳は顕在的に認知していない状態で情報を受けることでかかりやすくなります。
ボクサーが見えない角度からフックを打たれるとダウンを取られやすいのと似たような感じです。
だからこそ、自分が今これが欲しいと感じているのはなぜか…と常に自分に『なぜ』を問いかけることで俯瞰して判断デキるようになります。
洗脳にかかると起こる不都合
教育も一種の洗脳です。なので洗脳にかかること自体は悪いことではありません。ただ、それによって不都合を被ったり、自分でコントロールしきれなくなることは問題です。
例えば、生活に困っているのに服が欲しくてたまらない…というように生活に必要なコトよりも他のことを優先してしまうということが簡単に起こってきます。
ちょうどパチンコがやめられない人と同じです。
自分が本来重要だと感じていること以外に労力やお金を使ってしまうことになるのです。
衝動買いや一夜の過ちなど、『わかっているのにやめられない』というコトはまんまと洗脳の術中にハマっていると考えるのが自然です。
これは洗脳にかかる人の意思の強さはあまり関係ありません。
事実を知っているか知らないか。
繰り返すようですが、洗脳に対抗する手段の一つは洗脳を認知していることです。
つまり自分が情報によって簡単に影響を受ける可能性があること、そしてマーケティングを知っていることです。
下の記事では脳の仕組みを応用した『サブリミナル効果』を使ったマーケティング技法とその例について解説しています。
物を買うのは悪いことではありませんが、自分のキャパシティを超えて買い物をしている状態は幸せな人生を生きるにはあまり得策ではないでしょう。
今回の記事が今までに必要だと信じていた物への価値観を考え直す機会になれば良いと思っています。
ということで今日はこのあたりで以上です。またお会いしましょう。