音楽が健康に与える影響
はいこんにちは安野勇太です。
自粛で外出の機会が少なくなってストレスを溜めてしまっている人もいるかと思うので今日は心身の健康に音楽が与える影響をご紹介していきます。
以下は先日のTweet。
読者のあなたは普段音楽を聴く習慣はありますか?
音楽を聴くと気持ちがリラックスしたり、集中力がアップしたり、なにより好きな音楽を聞いている間は気持ちが良いですよね!

最近では音楽の効果が証明され、体内でさまざまな作用を表すことがわかってきています。
今回はその体内の影響の中でも心身に大きな影響を与える、ホルモン産生に関わる記事を更新していきます。
音楽の効果
音楽を聴くことによる一般的な効果にはどんなものがあるでしょうか。
ざっくりと思いつくところでいうと、
- 「睡眠」の質を上げる効果
- ストレスを減少させる効果
- スポーツのパフォーマンス向上
などは有名ですよね。
その他にも血管を健康にしたり、痛みを和らげたり、効果もあることが確認されています。
The Journal of Strength & Conditioning Researchによる調査ではトレッドミルを使った激しいトレーニングの後にポピュラーな音楽を聴くことで疲労が減少したことが確認されています。
実はこの効果には、体内のホルモン産生に働きかける音楽の作用が関係しているのです!
そのなかでもテストステロンとコルチゾールの変化が起こることがいくつかの研究で示されています。
テストステロンとコルチゾールはそれぞれ『副腎』から産生されるホルモンで、そのコントロールはボディメイクにも仕事にも大いに影響します。
今回の記事ではフィットネス・仕事の観点から使い方をお話していきます。
テストステロンへの影響

実は音楽を聴くことで、男性ではテストステロンの量が減少します。
逆に女性はテストステロンが増加するそう。音楽を聴くことで中性的な性質に近づいていくということですね。
テストステロンは
- 筋肉量の増加
- 体脂肪の減少
- 集中力のUP
- 精神的なタフネスと積極性のUP
といった心身両面への影響があることがわかっています。
【フィットネス・ビジネス】テストステロンをアップしてセルフイメージと集中力をコントロールする方法 まとめ
男性の方は上記のような良い作用が音楽によって弱くなってしまうということになりますが、実は次のコルチゾールの分泌量に仕掛けがあるのです。
コルチゾールへの影響

音楽を聴くことで男女ともにストレスホルモンである、コルチゾールが減少することが研究でわかっています。
コルチゾールは心身にストレスがかかった時に副腎皮質から分泌されるホルモンで、
- 筋肉の分解作用
- 腹部の体脂肪の蓄積作用
- 血圧の上昇作用
- 血糖値の上昇作用
- 成長ホルモン男性ホルモンの抑制作用
といったテストステロンと逆の作用を起こすことが知られています。
ストレスがかかると高血圧になるとか、高血糖になると言われているのはこのコルチゾールが関係しているのです。
コルチゾールは同じ副腎という同じ臓器から分泌されることもあってか、その分泌が増えると、テストステロンの分泌量が減ってしまうということもわかっています。
コルチゾールによる身体への悪影響やテストステロン濃度の低下を抑えるためにはストレスを緩和することが重要だということ。
音楽は心理的な面でストレスを緩和することでコルチゾールの量を低下させることがいくつかの研究で明らかになっています。
以下は引用。
Khalfa, Bella, Roy, Peretz & Lupie(n 2003)は、 大学生 17 名を実験参加者とし、Trier Social Stress Test(以 下 TSST と略記、詳しくは後述)という方法によってスト レスを高めた後、リラクセーション音楽を聴く群と無音 群に分けてコルチゾールの変化を比較検討した。
その結果、両群とも TSST 直後にはコルチゾールが増加したが、無音群ではさらに 15 分後まで増加し続けたのに対し、音楽聴取群では 15 分後にはコルチゾールが減少した。
また、臨床の場面で音楽のストレス解消効果を検討している報告もある(e.g. Miluk-Kolasa, Obminski, Stupnicki & Golec,1994; Nilsson, 2009)。
引用元:https://www.jstage.jst.go.jp/article/shes/11/1/11_19/_pdf
この引用の論文のように音楽がストレスに影響する研究結果はいくつも報告されています。

コルチゾールはストレスに対抗する身体の状態を作るホルモンですが、ストレス自体を軽減することでコルチゾールの量を減らせるのは、良いですよね。
上の研究でも、リラクゼーション音楽や好きな音楽を聞いた方がストレス緩和の効果が高いという結果が出ているので、
音楽プレイヤーや携帯をイヤホンつきで持ち運ぶのはオススメ です!
オキシトシンへの影響
心の傷、体の傷を癒したいなら、ライブ会場へ行く
カナ切り声のような可聴域が高い音は、毛穴から取り込まれ、また低音は“振動覚”で受け取られます。つまり音は触覚でも伝わるのです。肌を刺激されると幸せホルモンのオキシトシンが分泌。オキシトシンは不安を抑える役割を果たしたり、ストレスホルモンが分泌されるといち早く、ストレスホルモンを下げる働きをもっています。それから、生理的食塩水を注射するよりもオキシトシンを注射した方が、傷の治りが早いという研究結果も。オキシトシンが分泌されやすいライブ会場は、心の傷や体の傷が治るのが早くなると言えます。
まとめ
音楽はストレスを減らし、女性にとっては特に心身をアクティブにするために良い効果が期待できそうですね。
男性にとっては、男性ホルモンのテストステロンが減ってしまう可能性がありますが、拮抗するコルチゾールの量を減らすことで、筋肉増加や体脂肪減少に対する影響はむしろ良いかもしれません。
ストレスが長期にわたってかかると副腎疲労によって心身の不調に悩まされることもあります。
ストレスをコントロールし、豊かな人生・ハリのある毎日を過ごすために音楽を有効活用するのはアリかもしれませんね!
以上、安野勇太がお送りしました!