【意識性の原則】集中でトレーニング効果が変わる!?

はいみなさんこんにちは安野勇太です。

意識の集中の仕方で運動やトレーニングの効果が変わるという話を聞いたことがありますか?最近では思考や意識が身体パフォーマンスや身体のコンディションに影響を与えることが科学的な研究で解明されてきています。

今日はアスリートやトレーニーの界隈で経験的に知られている『意識性の原則』について科学的なエビデンスをもとに掘り下げていきます。

今日の記事はこんな人にオススメ!

  • トレーニングで結果を出したい方
  • より小さな運動量で効率よく結果を出したい方
  • トレーニング指導で意識の面からアドバイスをしたい方

今日の記事は高齢者などの運動量を最小限に抑えて結果を出したい方にもオススメです。

ではいってみましょう!

『意識性の原則』とは

『意識性の原則』は運動をする際、動かしている筋肉や目的に意識を集中すると、パフォーマンスや成果が変わるというトレーニングの5原則のひとつです。『意識性の原則』に関わる研究は多く、論文もたくさんあります。

下はオーストラリアのグリフィス大学が2019年に複数の研究をまとめた信憑性の高い論文の和訳です。

これまでに実施された研究では、重量挙げタスクのトレーニングとパフォーマンスにおいて特定の焦点または内部焦点よりも、外部に注意を向けることで発揮される運動の精度が向上しました。アスリートは競技中に外部に焦点を当てるべきであることを示唆しています。外部フォーカスは、アスリートが他の方法で注意を向けた場合にそうでない場合よりも重い重量を持ち上げることを可能にする可能性があります。アスリートは、トレーニング中競争をシミュレートするときに外部への集中を練習する必要があります。

逆に、筋肉の増加が望ましい目標である場合、アスリートは内部に集中すべきであるという議論があります。内部に注意する利点は、通常、筋肉の成長または筋力の増加を目的とするトレーニングプログラムに有効だと考えらます(Marchant et al。、2008)。

(中略)

コーチはまた、彼らの学習を強化するためにアスリートにフィードバックを提供するべきです。追加で情報提供することにより、フィードバックが強化される場合があります。

参考:A Systematic Review of Attentional Focus Strategies in Weightlifting

この論文によると運動のパフォーマンス(重量挙げやジャンプの距離の記録)を高めるには外部(目指す結果)に集中すると結果が良く、筋肉の発達を高める為には内部(自分自身や筋肉の動き)に集中するのが良いようです。

筋肉を大きくしたいボディビルダーがベンチプレスをする時に胸の筋肉に意識を向けるという話は有名ですが、同じベンチプレスでも高重量を扱いたいベンチプレッサーは筋肉ではなくバーベルシャフトや動きの軌道に意識を向けたほうが目標を達成しやすいことにになります。

参考:A Systematic Review of Attentional Focus Strategies in Weightlifting

トレーニングに活かすには、目的(ゴール)を明確にしおことが意識性の原則からも重要に成ります。

意識の焦点を変える方法

ここからはトレーニングの目的別に意識を変える方法をご紹介していきます。

同研究では内部と外部両方に集中することでパフォーマンスを最大化したと報告しています。

研究は常に外部の注目を集めることでパフォーマンスの利点を示しているわけではありません。障害が発生するまでの時間、または長時間のタスクでの運動の評価について、内部と外部の焦点の違いは観察されていません(Lohse and Sherwood、2012)。さまざまな調査結果から、Kristiansen et al。 (2018)は、外部と内部の両方への注意が、ベンチプレス中平均およびピークEMG振幅を生成したことを報告しました。

参考:A Systematic Review of Attentional Focus Strategies in Weightlifting

トレーニング効果を最大化するには、パフォーマンスや動き・筋肉それぞれ必要な時に意識の集中を使い分けられることが重要なようです。

外部に焦点を当てる方法

外部…つまりパフォーマンスや結果に集中すると、重量挙げの記録や他の競技パフォーマンスが上がることがいくつもの研究で示されています。

外部集中を高める具体的な方法は、

  • 鏡を設置して自分の動きが確認できるようにする
  • ビデオ録画を行う

といった方法が有効です。

逆に『強い』や『パワフルに』などのキーワードは、内部的に注意を向けるよう指示する可能性があるため、外部に注意を向けたい場合には注意する必要があると論文ではまとめられています。

内部に焦点を当てる方法

筋肉の緊張、体の動き、テクニック、フォームに集中するよう指示すると、内部集中を促進できます。

内部集中を高めると、筋肉の発達や動作の学習に効果が高くなります。

高齢者の機能訓練や入院後のリハビリなどでは、ただ動作を伝えるだけでなく意識するべき筋肉や動作のポイントを口頭で伝えることでトレーニングの成果を高められる可能性があります。

まとめ

『意識性の原則』はルー(Roux)3原則 が100年以上前に発見された後から知られている古い物ですが、心や精神と身体の繋がりは今改めて注目されています。

身体の状態が脳や心の状態に関わっていることや、逆に意識が身体に与える作用を身体心理学といいます。

身近な習慣を変えるだけで心身の状態をコントロールする習慣を研究してみるのもオモシロイかもしれません。

以上安野勇太でした。またお会いしましょうバイバイ!

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