こんにちは安野勇太です。
認知科学を応用した相談業とビジネスプロデュースを軸に活動しています。
以下は先日のTweet。
今日は薬剤師なら誰もが気になっているAI導入後の働き方・未来について考えていきます。
下は最近のTweet。
安野が薬剤師国家試験に合格して就活をしていた3年前、超大手薬局チェーンの幹部クラスは面接の中で既にAIの研究を始めていると言っていた。
— Yuta Yasuno 安野勇太 @起業家支援 (@medinessfit_yas) January 7, 2020
結局そこは蹴ったのだけど、
話では薬局チェーン最大手3社は全てAIの研究をしているとのこと。
今、おそらく技術的にはもう『デキる』状態。#薬剤師#AI
筆者が薬剤師国家試験に合格してひとまず就活をしていた3年前、大手薬局&ドラッグストアチェーン2社の面接を受けました。
面接の中で、自分がビジネスや仕組みを創ることに関心が高いことを話すと、『オフレコで…』とAIと薬剤師についての取り組みを教えてくれたので今日はそのお話を少しだけ公開します。
2016年当時、筆者が面接を受けた某大手薬局チェーンは既にAIの研究を始めていました。
マーケティングに関して興味があった筆者はドラッグストアの中を案内され、商品棚とマーケティングについての説明を興味津々で聞いたのを覚えています。

当時から薬局へのAIの導入は決まっていた
当時面接を担当してくれた部長さんは、
- 既に企業がAIの研究を始めていること
- 最大手3社は同じようにAIの研究と開発を進めていること
を教えてくれました。
薬局での調剤や監査がAIによって自動化されるということは薬剤師にとっては信じたくない事かもしれません。
ただ、莫大な開発費がかかるであろうAI開発を、まだ決まっていないのに企業が使うことは考えづらいですし、売り上げの約7割を保険料確保している調剤業務がAIによって自動化されれば、健康保険の予算が潤うのも間違い無いでしょう。
健康保険組合連合会も、2019年に政府に対して健康保険の維持が困難であることを主張したレポートを提出しています。
参考:2019年度健康保険組合予算早期集計結果と「2022年危機」に向けた見通し等について:健康保険組合連合会
企業の採用現場でも『2022年危機』と呼ばれている労働者不足問題。少子高齢化に伴い、働き手が少なくなることで社会補償費の確保がますます困難になってきます。
2018年5月に政府が発表した『2040年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)』という資料によると、2018年度の社会保障給付費の総額は、年金が約57兆円・医療費が約39兆円・介護費が約11兆円…そのほか諸々を含めると約121兆円。
これが2025年度には年金が約60兆円・医療費が約48兆円・介護費が約15兆円で、社会保障費は総額で約140兆円にまで膨らみます。
税収が減り、経費が増える中今の保険制度が続くことは考えづらい。
2016年の就活の中でAIが調剤を担う可能性を知り、実際に就職した別の大手薬局チェーンで調剤・監査業務がほぼロボによって行われている現状を目の当たりにして、安野は薬剤師を半年で辞めました。

薬局にAIが導入されて起こること
当時就職した大手薬局チェーンでは、調剤はほぼロボットが行なっていました。
ピッキング(棚から薬を取り出す作業)はもちろん・散剤や軟膏・水剤までもロボットが担っている状態。
薬剤師の業務は、もっぱら1度ロボットがチェックした処方箋やピッキングした内容に誤りが無いかダブルチェックする為の業務。
そして患者に薬を渡し、説明する投薬業務です。
実際、処方の内容に問題が無いかどうかのチェックは薬の情報が入ったビッグデータとチェック機能があればデキてしまうし、テンプレート通りの投薬なら既にスマホのアプリやSiriが代替できそうに感じます。
実際、日本BDという会社が医薬品の入庫払い出しを自動化する薬局ロボットを発売し現場への導入が始まっています。
参考:日本BD 医薬品の入庫払い出しを自動化する薬局ロボット「BD Rowa Vmax™システム」を発売~調剤業務の効率化と患者さんの待ち時間短縮を実現~
これが一般的になれば、資本力のある大手が導入し、調剤業務を自動化しなかった中小企業は人件費がかさんで競争に負け、倒産していくことも十分に考えられます。
今、薬剤師が豊かな未来を創るためには業務独占(調剤業務・投薬業務)に依存した働き方ではなく、その専門性や個人のクリエイティビティ・ブランディングを最大限に使って個人のパワーを高めていくことこそが重要だと考えています。

薬剤師は今こそ起業・副業を始めるべき
薬剤師は一生安全だと思われていた時代はもう過去の話。今までもそう思ったまま無くなった職業や使い物にならなくなった資格は山のようにあります。
ユニクロの会計も今はどの店舗も自動化されているし、タバコ屋もほとんど見かけなくなりました。過去踏ん反り返っていた武士も今はいませんし、剣術ができても稼げない時代です。
いつの時代も必要な能力を身につけ、変化するモノだけが生き残り繁栄してきています。
筆者は、今こそ薬剤師もビジネスを学び、自ら稼ぐ個人の力を高めていくことが未来を創るためには重要だと考えています。
起業と聞くとビジネスに馴染みのない方は身構えてしまうかもしれませんが、薬剤師の国家試験に合格した優秀な方ならそんなに難しいとは思いません。
難しい言葉はたくさんありますが、ビジネスにおいて大切なのは本質。ひとつひとつしっかりと腑に落とし、人の為を想う思考が腑に落ちればデキるようになります。
具体的には比較的収入のある薬剤師の方は、まずは『副業』から始めてみることをオススメします。
時間を確保し、実際にトライし、一刻も早く学び始めること。
机上の空論ではなく、まず行動すれば、『なぜ』上手くいかないのかを考えられます。そうして初めて、自分がデキていないことが明確になり 学習と実践のサイクルが回り始めます。
- 今の職場に居たままでは時間の確保が難しい
- 人間関係や業務でストレスが溜まって自己学習する気力が残らない
という方は非常勤として余裕を持って働きながら、準備を整えるのもアリです。
薬剤師の転職サイト 参考一覧はこちら


まとめ
今日は薬剤師の未来というテーマでお話ししていきました。
とにかく行動を始めること。そこから初めて見えてくる景色があります。
今日は以上です。またお会いしましょう。